少し前に60歳の誕生日を迎え、友人たちが還暦祝いを企画してくれました。ずっと還暦イコール老境に入ることと思っていましたが、いやいやさにあらず、生まれ変わってベビーとして新しい人生を始める日なんだそうです(2024.3.20)
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わたしは都内在住ですが、コロナになり、週末を友人の別荘で過ごす機会が増えました。つい先日、還暦を迎えたのですが、友人の別荘で仲間が集まって還暦祝いをしてくれるということで、ずいぶん前から楽しみにしていました。
あずさ5号で友人の別荘に向かう車中、「ヒントの森」を読んでいたら、こんな記事がありました。
(チック・コリアが)ニューヨークのブルーノートのステージにチックは妻を伴い、赤いちゃんちゃんこを来て現れた。
「赤いちゃんちゃんこには、日本ではベビーの意味があるらしい。60歳で生まれ変わって、ベビーとして新しい人生を始めるんだ」
ジャズ・ジャイアント「青の時代」を聴く~その1
へぇ~、赤いちゃんちゃんこにはそんな意味があるんだ! よく考えてみたら、なんで還暦に赤いちゃんちゃんこを贈るのか…なんて考えたことなかったなぁ。
チック・コリアはアメリカの伝説のジャズピアニストです。わたしは特別ジャズファンというわけではありませんが、キース・ジャレットやチック・コリアは学生の時によく聞いていたので、チック・コリアの赤いちゃんちゃんこ姿を想像して、ちょっとほほえましくなりました。
車中で検索してみると、こんなエピソードだったようです。
2001年の6月、ニューヨークのジャズクラブ、ブルーノートでチックの60歳を祝うショーが3週間にわたって行われた。誕生日の夜、チックは日本流の赤いちゃんちゃんこをはおって、ケーキに灯された60本のキャンドルを吹き消し、スピーチした。
「皆さん、カンレキをご存知ですか? 日本では60歳をカンレキといって、真っ赤なベストを着てお祝いをします。まるでベビーが着るようなベストを着てね。私もそのカンレキを迎えました。つまり、今皆さんの前にいる私は生まれ変わったベビーというわけです。どうですか? ベビーに見えますか? だから、今日は生まれ変わったフレッシュなチック・コリアの演奏を楽しんでください」
【追悼】ジャズ界のレジェンド、チック・コリアが愛されたわけ
還暦の意味を調べてみると、60年生きて干支が一巡して生まれた年に戻る(=元の暦に還る)こと。誕生年に60を加えた年、つまり数えで61歳。赤いちゃんちゃんこは赤子に戻り、もう一度生まれ変わって出直すーーということだそうです。
60歳目前に気付くとは…ですが、還暦って、ベビーになって生まれ変わる日だったんですね。「よしっ、わたしも赤ちゃんになった気持ちで、新しい人生を満喫しよう!」と思いました。
節目のお祝い日は盛大に
そんな気持ちで向かった還暦祝い週末。毎年誕生日を祝いあう仲間たちなので、だいたいこんなお祝い?という想像はしていたのですが、想像を遥かに超えた楽しい企画を用意してくれていて、まさに新しい人生のターニングポイントを実感させてくれる時間になりました。
参加メンバーみんなであーでもない、こーでもないと試行錯誤しながら風船を膨らまし、壁に飾り付けている様子を見ながら、わたしは透明人間になっていた訳ですが、還暦を迎えるわたしより、友人たちの方が、還暦の意味を正しく理解していたようです。出来上がった飾り付けや、豪華なバースデーケーキに驚くわたしに、「新しい人生の門出のお祝いだからね」と言ってくれました。
日付が変わるその瞬間には、カウントダウンでHappy Birthday To You~を歌ってもらい、シャンパンで祝杯を挙げ、くす玉を割りました。赤いちゃんちゃんこ代わりのミュージカルのアニーのような赤毛のかつらをかぶり、たくさんの写真を撮りました。
日本には素晴らしい文化や伝統がありますが、忙しい日々の中ではつい忘れがちですよね。でも、伝統にはちゃんと意味があるんだなぁ…と改めて思わせてくれた2日間でした。
ひとつ年を取る誕生日はいつの頃からか楽しみではなくなりましたが、今回はとても楽しい誕生日だったばかりでなく、感謝しかない0歳のスタートとなり、還暦=新しい人生を満喫しようと、生まれたての気分になった誕生日でした。
「コロナ後」時代のお祝いの仕方
東京に戻ってからも嬉しいことがありました。友人から、こんなメッセージが届いていました。
コロナ前は、誕生日は対面でお祝いやプレゼントを渡したりが簡単にできましたが、コロナになってからは、なかなか難しいですよね。そんな中、LINEでお誕生日お祝いを頂きました。上の画像のようなメッセージが来て、「LINEギフトを受け取る」をクリックすると、受け取ることが出来ます。
今更?と思う方も多いかもしれませんが、わたしははじめて受け取ったので「こんなギフトの贈り方もあったんだ~」ととても感動しました。わたしが喜ぶものを考えてギフトを選んでくれたというだけでも嬉しいですが、可愛いメッセージと一緒に受け取れるので、とても温かい気持ちになりました。
日々忙しいと、人に感謝したりお祝いしたりということが疎かになりがちです。もちろん言葉でのお祝いやお礼も大切ですが、気持ちを形にして贈るということは、受け取る側は、きっと贈る側が思う以上の喜びを感じてくれるかもしまんせん。
びっくり&感謝感激続きの還暦祝いは、そんなことを考えさせてくれて、新しい人生では、もっと人に気持ちを形で伝えよう…と思ったのでした。
(みたむらゆか)
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