「あなた、いびきがうるさい!」と言われたりしていませんか。「寝てるから聞こえないよ。だから問題なし!」と言い返したり…。そうなんです。寝ている時の自分の様子はわからないものです。でも、夜中によく目が覚めたり、日中に睡魔に襲われたりしたら、SASの簡易検査を受けてはいかがですか? (2024.2.28)
睡眠時無呼吸症候群
まず、SAS(サス)という単語を知らない方が大半でしょう。

我が家は夫婦そろってSASのCPAP治療をしてるよ。それでAHIが劇的に改善して、妻は血圧も少し下がったんだ!
わたしがこんなふうに話しても、アルファベットばかりだから、聞いている人は???と思うでしょうね。
SASは「睡眠時無呼吸症候群」(Sleep Apena Syndrome)のこと、CPAPは「Continuous Positive Airway Pressure」の略で、SASの代表的な治療法のこと、AHIは「Apnea Hypopnea Index」の略で、日本語に直すと「無呼吸低呼吸指数」のことです。
夜中に息がとまってるわよ
もうかれこれ8年ぐらい前でしょうか。妻からこう言われたのです。

あなた、夜中に息がとまってるわよ
いつもは「いびきがうるさい」といった小言で、「へえへえ、きみだっていびきかいてるよ」「わたしはかいたことないもーん」とじゃれあって終わるのが常でしたが、その時はさすがに真顔で言われました。

死んでるのかと思って、揺り起こそうかと思ったら、驚いたみたいに「はっ」と息したけど、ちょっと心配しちゃったよ。こんどの人間ドックの時に相談してみたら?
それがきっかけで、人間ドックの問診時にそのことを話したら、その病院の人間ドックは個別オプションで「睡眠時無呼吸症候群の簡易検査」があり、さっそく申し込みました。
送られてきたキットを装着して一日寝て、翌朝には返送するだけでしたが、検査結果を聞きに病院に行って驚愕しました。
2分以上息をしてない
AHIーー無呼吸低呼吸指数が「32」で、わたしは「重症」の睡眠時無呼吸症候群だったのです。
AHIは一日に無呼吸・低呼吸状態になる回数をカウントして、「5」以下が正常、「5~15」が軽症、「15~30」が中等症、「30以上」が重症という判定です(下記のフクダ電子のパンフレットにも出てきます)

無呼吸だった時間がいちばん長い時で140秒、つまり2分以上も無呼吸状態だったという検査結果でした。
怖いのはSASの合併症
SASが怖いのは、寝ている時に息をしていない時間帯があるわけですから、血圧も高くなりますし、不整脈や脳血管へのダメージも引き起こすリスクを高めます。つまりSASによる合併症が怖いのです。
この簡易検査がきっかけで、きちんと精密検査(1日入院)して、正式にSASと診断されてCPAP治療を始めました。
数年後には、妻にも「きみだっていびきかいてるから、同じように人間ドックで簡易検査してみなよ」と勧め、妻のAHIは17で中等症でしたが、妻は血圧が高めなのでCPAP治療を希望。いまでは夫婦そろって夜寝る時はCPAPのマスクを装着して寝ています。

CPAPは、わたしが使っているCPAPのパンフレットのイラストのように、マスクを装着して強制的に空気を送り込みます。パンフレットによると、
睡眠時に常に気道に陽圧をかけることで、睡眠中の気道の閉塞を防止します
ということだそうです。
1か月に1回、病院で数値の確認をするだけです(わたしは数値が劇的に改善したので途中から3か月に1回でいいと言われました)。費用は毎回5000円近く払うのでそれなりの出費ですが、それで睡眠の質が向上するなら安いものです。
AHIは「32」が「1.4」に
30を超えて重症と診断されたAHIは、CPAP治療でどのように変わったでしょうか。下記の図をごらんください(1か月に1度の数値確認で渡されたものです)

この月は平均「1.4」でした。劇的に改善しているのは明白です。
寝ている時の自分の様子はわかりません。だから最初は簡易検査をはじめてはどうでしょう。
SASの簡易検査で調べれば、それ専用の業者さんも見つかりますし、わたしのように、かかりつけの病院や人間ドックの機会に尋ねるのでもよいでしょう。
(さかきかずひこ)