交通機関での常識・非常識。知らないうちにルールが変わっていることがあります。ベビーカーを安全に使用できる場所を示す「ベビーカーマーク」というのが出来ているのですが、ご存じでしたか?(2024.2.23)
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バスで遭遇した光景
通勤中にイヤホンしている人を見かけることが多くなりました。電車やバスの中で音楽を聞いたり、動画を見たり、ゲームをしたり。良い気晴らしになりますね。
ところが、先日、バス停で落ち着いた感じの中年女性がだれかとずっとおしゃべりしていて、親しい仲間がいるんだろうなあ、と思って横を見ると、その女性一人。なんとヘッドセットをしてスマホでずっとだれかと通話をしているんです。
話の内容は自分の仕事のことなのか、私生活のことなのか、聞くともなしに聞いてしまったのですが、相手に何か言われるたびにため息交じりで言葉を返します。そして、「いまここにいないだれか」との会話に夢中で、バス停に並んでいる人のことなんてまったく関知なし。バスに乗ってからもずっとその調子で、独り言のような通話をする姿に、ちょっとあきれてしまいました。

この人…もしかして脳内だけで、実在しない相手との会話かも?
そこまで考えるとジワジワと怖くなり、少しずつ距離を取るようにしました。ずっと電話を続けるような人とは二度と居合わせたくないなあと思ったものです。
ベビーカー同乗のルールは?
交通機関での常識・非常識。知らないうちにルールが変わっていることがあります。
先日も、バスの中にベビーカーが3台、座席もバラバラで折りたたまれずに乗車していて、出口まで行くまでにはその隙間を通らなくてはならず、イラッとしたことがありました。万が一でも赤ちゃんに当たったらいけないからこちらは大変気を使って通り抜けようとしているのに、一人のお母さんは恐縮してくれましたが、もう一人のお母さんはスマホとにらめっこです。
ベビーカーを乗せたときはそれほど混雑していなかったのかもしれませんが、3台はいくら何でも多すぎだろうと思ったものです。そこで、ルールが気になり調べてみました。
電車やバスなどにベビーカーを同乗させるとき、昔はベビーカーを折りたたむか、そもそもベビーカーの使用を避けるというのがスタンダードだったと思われます。しかし、国土交通省の有識者会議は2014年3月に「原則としてベビーカーはたたまずに使用できる」という指針を公表しています。
ベビーカーマークも策定
その後、ベビーカーを安全に使用できる場所を示す「ベビーカーマーク」も策定しました。今やほとんどの公共交通機関には、この「ベビーカーマーク」のある座席があります。
車いすのマークはよく見かけるんだけれど、「ベビーカーマーク」って何!?と思った方。私もそうでしたが、意識して見ないと目に入らないものってあるんですね。
バスの場合、車いすのマークがある座席には、ベビーカーマークも貼られていることがあります。

車いすのマークだけの座席もあります。何が違うって、ベビーカーマークがついた座席は、ひじ掛け部分などにベビーカーを固定するためのベルトが付けられているのです。
車いすや幅の広いベビーカーで乗車する場合は、バスの乗務員が座席を折りたたみ、スペースを作ってからベルトで固定することになっています。1人乗り用のベビーカーの場合は、座席は折りたたまずに保護者が固定ベルトにベビーカーをつなぐことになっています。
固定ベルトにつないで、かつ、ベビーカー自体の車輪ロックをかけてベビーカーを手で支えることまでバス会社は呼びかけているんです。走行中の揺れや急停車はいつでも起こりうることだから当たり前といえば当たり前ですが。
席を譲るルールは?
念のために言うと、ベビーカーマークのついた座席は、あくまで「固定ベルトを使いなさい」ということで、保護者が座るというルールにはなっていません。
とはいえ、空いていたら座ってほしいし、子育て中で大変な人を応援する意味でも、さっと席を譲るくらいはしたいものです。
私の住んでいる地域のバスでは、ベビーカーの同時利用は2台までとホームページで明記してありました。
でも、見かけちゃったんだもの、3台目。「朝晩の混雑時はご遠慮いただく場合があります」とも書いてあります。
知識のアップデートを
どんなに条件を並べても、その場になると、きっと乗務員さんも断りづらかったんだろうなあとも思いますが……。
公共交通機関のルールですから、あまり細かいことに目くじらを立てるよりも安全が優先です。
困っている人がいないか。優先席やベビーカーマークのある座席について、知識をアップデートしておくのも時には必要なのでしょうね。
(ruru)