「セブン・サムライ」が話題です。海外投資家から日本株への関心が高まる中で、日本株の牽引役としていっそう期待が高まりそうです。値がさ株が多いので、「かぶミニ」のような単元未満株投資の対象としても注視したい銘柄です(2024.2.21)
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日本人スタッフがきめ細かいサポートをいたします、安心な留学をするなら【カナダジャーナル】「七人の侍」の英語タイトル
「セブン・サムライ」は、もともとは黒澤明監督の名作「七人の侍」(1954年公開)の英語タイトルです。
「七人の侍」は世界的にも評価が高く、1960年にはアメリカでリメイクされました。邦題は「荒野の七人」。ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックイーン、チャールズ・ブロンソンなど豪華キャストが勢ぞろい。わたしも子供の頃に映画館で観ました。
「荒野の七人」の原題は「マグニフィセント・セブン」です。
あれ? ビッグテック株の7銘柄って、ここから来ているの?
はい、そうです。米国株を牽引するビッグテック株7銘柄、具体的に言うと、
- アルファベット(グーグル)
- アップル
- メタ・プラットフォーム(フェイスブック)
- アマゾン・ドットコム
- マイクロソフト
- エヌビディア
- テスラ
の7銘柄です。個別に説明するのは不要な顔ぶれですね。
マグニフィセント・セブン
auカブコム証券の「マグニフィセント・セブンの存在感が一層高まる」(筆者は経済ジャーナリストの和島英樹氏)という記事から引用します。
マグニフィセント・セブンはS&P500構成銘柄の時価総額上位をほぼ独占している、同指数の牽引役ともいえる銘柄群です。
株価が上昇している主な理由としては、いずれもが景気に左右されにくいビジネスモデルとなっていること。安定したキャッシュフロー(現金を稼ぐ力)と、これに伴う高い財務健全性などが挙げられます。
米国のインフレ鎮静化で利上げ打ち止め感が浮上していることもハイテク株に資金が流入しやすい要因となっています。
(略)
2024年もマグニフィセント・セブンからは目が離せない展開となりそうです。
「マグニフィセント・セブンの存在感が一層高まる」
ゴールドマンが選定
この「マグニフィセント・セブン」の連想からでしょうか、ゴールドマン・サックス証券が「セブン・サムライ」という表現を使い出したそうです。今朝(2月21日)の日本経済新聞朝刊も触れています(ネット配信は20日)
ゴールドマン・サックス証券はこのほど、米国の「マグニフィセント7(壮大な7銘柄、M7)」と呼ばれる大型テック株に相当する日本の7銘柄「セブン・サムライ(七人の侍)」を選定した。日本企業の資本効率改善への期待が相場を支え、日経平均の最高値更新への素地が整いつつある。
「日経平均のけん引役、ゴールドマンが選んだ「七人の侍」」
「セブン・サムライ」の7銘柄は以下の通りです(銘柄名の後ろは証券コード、株価=2月20日終値、予想配当利回り=2月21日、企業概要はヤフー・ファイナンスから)
SCREENホールディングス(7735)
- 株価:18450円
- 予想配当利回り:1.11%
- 企業概要:半導体製造装置の大手、うちウエハ洗浄装置では世界断トツ
アドバンテスト(6857)
- 株価:6727円
- 予想配当利回り:-
- 企業概要:半導体検査装置で世界大手。非メモリー用中心。DRAMでは首位
ディスコ(6146)
- 株価:44100円
- 予想配当利回り:0.59%
- 企業概要:半導体、電子部品向け切断・研削・研磨装置で世界首位
東京エレクトロン(8035)
- 株価:34650円
- 予想配当利回り:1.08%
- 企業概要:半導体製造装置で世界3位
トヨタ(7203)
- 株価:3414円
- 予想配当利回り:-
- 企業概要:4輪世界首位。国内シェア3割超
SUBARU(7270)
- 株価:3359円
- 予想配当利回り:2.84%
- 企業概要:水平対向エンジンや4駆車、安全技術に強み。米国比率高い
三菱商事(8058)
- 株価:3129円
- 予想配当利回り:2.22%
- 企業概要:総合商社大手。原料炭等の資源筆頭に機械、食品、化学品等の事業基盤厚い
日経記事によれば、「セブン・サムライ」の選定基準は、
流動性の高い銘柄を対象に、年初来と過去12カ月の株価のパフォーマンスが良好で、2020年以降営業赤字や最終赤字に陥っていない企業が条件
「日経平均のけん引役、ゴールドマンが選んだ「七人の侍」」
ということです。
値がさ株がズラリ
半導体関連の4銘柄はどれも値がさ株なので、買うとしたら単元未満株でしょうか。わたしはどうしても配当利回りに目がいってしまいますが、もし自分が20歳代、30歳代だったら、日本企業の将来を牽引する銘柄として「かぶミニ」で1株ずつ買ってみたいな…と思ったりもします。
ちなみに、楽天マガジンで最近配信されたムック「配当生活2024 Select for Beginners」(大洋図書刊)をみると、配当株投資の観点から言及されていたのは、
- トヨタ(鉄板大型50傑)
- 三菱商事(鉄板大型50傑)
の2銘柄だけでした。
やはりインカムゲイン狙いの銘柄ではなく、成長に期待しての7銘柄ということなのでしょう。
それにしても、「マグニフィセント・セブン」といい「セブン・サムライ」といい、さすが世界のクロサワですね。
(いしばしわたる)