妻と歩いていてスマホ決済が話題になりました。マックコーヒーをモバイルオーダーする私をみて、「なにそれ? いまそんなふうに注文するの? わたしには無理。マックはもういけない!」という反応でした。便利になる反面、取り残される人たちが気になります(2024.2.21)
エクセルは得意でも…
最初に、妻の話をしましょう。フォトショップやイラストレーターも使えて、エクセルも私より断然使いこなせます。だから、90歳になるわたしの母のように、PCもスマホも持っていないたぐいの人ではありません。
それでも、スマホ決済は相当苦手です。
モバイルSuicaと楽天ペイはわたしが設定してやり、ようやく使えるところまでいきましたが、それ以外のアプリは「わからないから要らない」と、はなから受け付けません。
楽天市場が面倒というのはわかるのです。「きょうは『お買い物マラソン』で『5と0の日』だから、なにか買いたいものある?」とわたしが聞くと、品物は口にしますが、自分では絶対にやらないと決めている顔つきです。
それに対してスマホのアプリは、最初の設定をしてしまえば、あとは簡単なはずです。

エクセルの関数をあんなに使えるのに、どうして?
と不思議な気持ちになります。
とはいえ、娘たちからも「パパみたいな、よく言えば几帳面、悪く言えばチマチマと細かいことが好きな人でないと、ポイ活なんて無理なんだよ」と馬鹿にされるので、我が家ではわたしのほうがマイノリティーです。
マックはもういかない
きのう(2月20日)、妻が「わたしには無理」と拒絶反応を示したのは、マクドナルドのモバイルオーダーでした。
わたしも普段はセルフレジの機械を使って注文しているのですが、モバイルオーダーでau PAYを利用すると決済額の最大10%還元というキャンペーンの案内をみかけました。


120円のコーヒーだから、たかが知れてるけど、せっかくだからやってみるか…
と試してみたところ、それを横でみていた妻が「なにそれ? いまそんなふうに注文するの?」と激しく反応したというわけです。

モバイルオーダーもそうだけど、セルフレジの機械があるから、注文カウンターにスタッフの人がいないのがデフォルトだよ。

嫌だー。わたしには無理。マックはもういけない!
というやりとりとなった次第です。
銀行系アプリの現状
マックのモバイルオーダーのように「スマホアプリを使えばお得」というケースはまだよいでしょう。その程度のお得は求めてない!という人がまだまだ多数派でしょうから。
でも、中には「スマホアプリを使えないと損」というケースも散見されます。
一例を挙げれば銀行系のアプリです。
みずほダイレクトの場合、第2暗証番号はアプリで表示されるので、アプリがなければインターネットバンキングを利用した振込が利用できません。
以前は、第2暗証番号は紙のカードで発行されていました。
しかし、セキュリティ強化の観点から、みずほ銀行はアプリへの移行を推し進めています(2024年7月に紙カードの第2暗証番号は廃止される予定だそうです)
アプリが使いこなせなければ、振込はATMを使って行うか、窓口で行うしかありません。
しかし、ATMでキャッシュカード利用の振込は1件あたり220円から330円の手数料がかかります。窓口はさらに手数料が上がり、1件あたり440円から880円です。
おそらく年配の人だと、かなりの人がアプリは使いこなせないでしょう。若い年代の方たちでも、かなりの人が「よくわからない」と設定を投げ出し、手数料を気にせずATM利用を続けるのではないでしょうか。
新たなディバイドでは…
かつてインターネットの普及し始めた2000年前後の頃、「デジタル・ディバイド」という言い方がよくされました。
「デジタル化による社会の分断」というような意味ですが、スマホをめぐる分断も、顕著になりつつあるように感じるのはわたしだけでしょうか。ちょっと心配です。
(いしばしわたる)