新NISAのうち、年間240万円が上限の成長投資枠について、わたしと妻名義で合計480万円の枠を使い切りました。あとは放っておくだけです。連日の株高で銘柄選びに苦労して、当初予定していなかった中型株やREIT、ETFまで物色しました。これまでのプロセスを共有します(2024.1.18)
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高配当+成長・安定で物色
どのような銘柄で枠を埋めたのかはのちほど明らかにしますが、そこまでの思考プロセスが大事だと思うので、わたしの当初方針と思考の変遷を書きます。
「新NISAへの移管 注意するポイントは?」(23年12月7日配信)で、わたしは次のように書きました。
- 新NISAは損益通算ができないため、値下がりリスクのある銘柄は何としても避けたい
- 配当利回りだけで判断するのではなく、企業の成長性・安定性も加味して銘柄を選びたい
と考えているからです。
例えば、以前に「かぶツミ」を試しにやってみた際に選んだ5銘柄、これを【Aグループ】とします。銘柄(証券コード)と予想配当利回り(12月7日現在)は以下のとおりです。
【Aグループ】
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 3.31%
- 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 3.77%
- 三菱商事(8058) 3.07%
- 伊藤忠商事(8001) 2.76%
- 東京海上ホールディングス(8766) 3.23%
いずれも大型株ですが、私が保有する同じ大型株でも配当利回りだけに着目したら、下記【Bグループ】の5銘柄のセレクトになります。
【Bグループ】
- JT(2914) 4.91%
- ソフトバンク(9434) 4.74%
- 武田薬品工業(4502) 4.58%
- 日本製鉄(5401) 4.41%
- SOMPOホールディングス(8630) 4.22%
でも、それぞれ10年チャート図で比較してみると、後者はソフトバンクとSOMPOホールディングス以外の3銘柄はデコボコしています。つまり購入価格より下げる可能性が他の銘柄より高いということです。
まだ【Aグループ】の5銘柄と決めたわけではないですし、きっと【Bグループ】の5銘柄からもNISA口座で買い増しを行うことになると思いますが、わたしが言いたいのは「配当利回り+成長性・安定性で選ぶ方が無難」ということです。
新NISAへの移管 注意するポイントは?
この考え方から、昨年末に作った「新NISA購入候補」は以下の銘柄でした。
- 三菱UFJFG(8306)
- 三井住友FG(8316)
- 三井住友トラストHD(8309)
- 三菱商事(8058)
- 伊藤忠商事(8001)
- 東京海上HD(8766)
- SOMPOHD(8630)
- MS&AD(8725)
- NTT(9432)
NTTは100株でも2万円弱で買えるので最後の調整用です。
3か月チャートでチェック
それ以外の銀行・証券・保険の8銘柄について、3か月チャート図の最高値と最安値の平均値を金額欄に入れて、これを下回っていて、かつ前日比で値下がりした順に買い入れていく方針を立てて、大発会の1月4日に臨みました(その日の結果は「新NISAがスタートしました」(1月4日配信)で報告したとおりです)
ところが、ここからが大変でした。どの銘柄も株価が上昇する一方で、いっこうに私が買う判断においた3か月チャートの平均値を下回ってくれないのです。
そのため、途中からは平均値以上でも買おうと判断を切り替え、当初の候補になかった金融関係の大型株も候補に加え、さらに中型株でも「三菱HCキャピタル」(8593)のような累進配当銘柄まで枠を広げて購入リストを作り直しました(その時点の報告は「成長投資枠で累進配当株はいかがですか」(1月14日配信)で書いたとおりです)
でも、「三菱HCキャピタル」を買った後も四苦八苦しました。 何より端数調整に考えていたNTT株がいっこうに下がらず、これでは割高な買い物になりそう…となってきました。
REITとETFで枠埋める
そのため、最終的にREITとETF(上場投資信託)で埋めることにして、きょう(1月18日)ようやく枠ぎりぎりまで買付を終えました。残り枠はわたしが761円、妻が1970円で、これは来年使えばよいでしょう。
さて、最終的な銘柄は以下のとおりです(上がわたし名義、下が妻名義で、記載のないものは100株)。銘柄と証券コードの後ろの数字は、予想配当利回りと1株あたりの年間配当金・分配金額(1月18日現在)です。
- 伊藤忠商事(8001) 2.45% 160円
- 三菱商事(8058) 2.75% 70円
- 東京海上HD(8766) 3.26% 121円
- 三井住友FG(8316) 3.74% 270円
- 三井住友トラストHD(8309) 3.84% 110円
- 三菱HCキャピタル(8593) 3.71% 37円
- イオンリート投資法人(3292)=1口 4.79% 6685円
- NF日経高配当株50(1489)=13口 3.39% -
- 伊藤忠商事(8001) 2.45% 160円
- 三菱商事(8058) 2.75% 70円
- 東京海上HD(8766) 3.26% 121円
- りそなHD(8308)=500株 2.93% 22円
- みずほFG(8411) 3.94% 100円
- 三菱UFG(8306) 3.16% 41円
- オリックス(8591) 3.38% 94円
- 三菱HCキャピタル(8593) 3.71% 37円
- 森トラスト投資法人(8961)=1口 4.60% 3359円
- インヴィンシブル投資法人(8963)=1口 5.95% 3506円
NF日経高配当株50の分配金は未定ですが、昨年1年間で2108円でした。仮に同じ水準だったとして、今月30分割されたので、単純計算すれば1年間に70円ですから13口で910円です。
1年間の配当は16万円超
この額面で予想配当金・分配金額を計算すると、わたしが8万4395円、妻が8万0165円、ふたり合わせて16万4560円を受け取ることができす。特定口座なら約20%分の源泉徴収で3万円以上差し引かれますが、成長投資枠はまるまる受け取れる勘定です。
今のところ、下記の図のとおり(上がわたし、下が妻)で、トータルではわたしも妻も15万円以上の評価益が出ています。タイミングよく買えたのではないか…と思っています。


この顔ぶれなら大きく株価が下がるとはないと信じて銘柄選びをしたつもりですし、何より保有する限り、毎年16万円もの配当金・分配金が得られることになります。来年以降の残り4年間も同じ程度の利回りの銘柄で成長投資枠を埋めていけば、年間80万円以上の配当金・分配金が入る仕組みが完成します。
年初からこんなに高配当の大型株に人気が集まるとは想定できませんでしたが、今回の経験と今後の実績をもとに、来年の成長投資枠への向き合い方を考えようと思います。
それでも結論は、「やはりNISAはやらない手はない」ということではないでしょうか。
(いしばしわたる)