保有銘柄の中間報告書に目を通していると、証券業界トップの野村證券、同2位の大和証券はとりわけ業績が好調です。政府の「貯蓄から投資へ」の流れが追い風になっているのは間違いないようです(2023.12.14)
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野村證券を擁する野村ホールディングス(証券コード:8504)の中間報告書は、
始めない理由を
見つけるのがむずかしい。
どうしよう。
というキャッチコピーで、新NISAを前面に打ち出しています。
右下にQRコードもつけて「新NISAの3つのポイント」の動画にアクセスしやすい作りにしています。ちなみに、3つのポイントは、
- 非課税投資枠が拡大
- 非課税保有期間が無制限に
- 売却で投資枠が翌年以降復活
で、最終ページもまるまる新NISA制度の概要紹介にあてる力の入れぶりです。
一方、大和証券グループ本社(証券コード:8601)は新NISAへの言及は控えめで、ページの下の方で制度の要点を触れる程度です。
両社とも業績好調で増配
ただ、業績をみると、両社ともきわめて好調です。
野村HLD
- 上半期税前利益:1030億円(前年同期比138%増)
- 当期純利益:586億円(前年同期比3.2倍)
大和証券G
- 上半期営業利益:5700億円(前年同期比68.1%増)
- 上半期純営業収益:2784億円(前年同期比28.3%増)
業績の好調を受けて、両社とも中間配当金を増配しています。1株あたりの中間配当額は下記の通りです。
野村HLD 5円 ⇒ 8円
大和証券G 11円 ⇒ 19円
新NISAに代表される「貯蓄から投資へ」の流れが、野村HLDと大和証券Gに強い追い風となっているのは間違いないようです。
野村グループCEOのメッセージも、この点に言及しています。
日本では政府の資産所得倍増プランのもと、NISAの抜本的拡充等、「貯蓄から投資」へのシフトを後押しする動きが活発になってきております。国内の金融資産に大きな変動が起きる可能性が高まっているなか、金融、そのなかでも当社の果たす役割は非常に大きなものと受け止めており、その期待にしっかりとお応えしていきたいと思っております。
私たち、金融機関が果たすべき役割とは、金融・資本市場を通じて、投資家と企業をつなぎ、流動性を供給し、健全性を担保しながら、経済の血液である「リスクマネー」の循環を後押しすることで、人々の暮らしや社会・経済の発展に貢献することに他なりません。リスクマネーを循環させることで、企業は新たな成長機会に投資し、成功の果実は、投資家へと還元され、資産形成、豊かな生活の実現へとつながります。その結果、経済全体が成長、国全体が発展することになります。
後半の段落は経済の教科書どおりの記述ですが、それでもCEOが「貯蓄から投資へ」の流れを強く意識していることは十分読み取れます。
ネット証券は隆盛だが…
新NISAというと、どうしても店舗型証券よりもネット証券が一択であるとか、楽天証券とSBI証券が「2強」であるとか、ネット証券に着目した記事が目立ちます。
でも、ETFではわたしも野村アセットマネジメントの商品を購入していますし、同社の「はじめてのNISA」シリーズが全世界株式の手数料引き下げを誘発したりもしています。
「貯蓄から投資へ」の流れの旗振り役・牽引役として、野村HLDと大和証券Gには、今後もぜひ頑張ってほしいと思っています。
(いしばしわたる)
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