24年1月スタートの新NISAでは、つみたて投資枠で積立投資信託を、成長投資枠で高配当銘柄の国内株を購入するーーこれが我が家の方針と書きました。すると知人から「株主優待銘柄を買う場合はどうしたらいいの?」と質問が。新NISA向けとなると長期保有優遇の優待株がお勧めです。我が家が保有する銘柄から10銘柄を選んで紹介します(2023.9.2)
【注記】本記事のオリジナルは9月2日掲載の記事で、減配した銘柄が出たため書き直したものです。高配当株の落とし穴として減配リスクがあることを知るのも勉強になると思い、(恥を忍んで)9月2日の記事もそのまま読めるようにしています。銘柄がかなり入れ替わっているのは新規に購入した銘柄や株価上昇で利回りが下がったものがあるためで、9月2日の記事と比較して読んでもおもしろいかもしれません(2023.10.30)
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長期保有優遇の銘柄を狙え
新NISAは「購入した投資信託等の分配金、国内株の配当金や売却益はすべて非課税」が最大のメリットですが、同時に「損益通算ができない」というデメリットがあります。
そのため、いわゆるキャピタルゲインを狙うなら「特定口座」(源泉徴収あり)で行って、新NISAは長期保有を前提にインカムゲインを狙うスタイルが望ましいのではないかーーとわたしは考えています。

キャピタルゲインとインカムゲインの説明はこちらを参照してください
この「長期保有を前提に」という部分がポイントです。
株主優待のある国内株には、長期保有者を優遇する優待を実施している銘柄があります。
そういう優遇措置があって、かつ配当利回りが高ければ、それこそ新NISAでの購入にもっとも適した銘柄ではないでしょうか。
長期優遇+高配当銘柄
わたしが保有する銘柄で、長期保有優遇がある銘柄を配当利回りが高い順に10銘柄紹介します(数字は証券コード、配当利回りは10月30日現在。記載のないものは100株以上の優待内容)
タマホーム(1419)
配当利回り:5.41%
株主優待:クオカード500円分
長期保有優遇:3年以上保有で1000円分に
企業概要:ローコスト系の注文住宅会社。首都圏郊外や地方を中心に展開。分譲住宅やオフィス区分販売も
キャリアリンク(6070)
配当利回り:4.96%
株主優待:クオカード500円分、200株以上保有で1000円分など保有株数で金額が上がる
長期保有優遇:3年以上保有で、200株以上は2000円分など保有株数で金額が上がる
企業概要:官公庁関連や大手企業向けビジネスプロセスの業務請負、人材派遣が柱。食品加工分野も拡大
ウェルネオシュガー(2117)
配当利回り:4.53%
株主優待:自社商品1000円相当
長期保有優遇:3年以上で2000円相当に
企業概要:23年に伊藤忠製糖と経営統合し持株会社化、製糖2番手に。
And Doホールディングス(3457)
配当利回り:4.42%
株主優待:自社特設サイトで利用できるポイント3000円分(500株以上)
長期保有優遇:1年以上保有で3300円分に(500株以上)
企業概要:自宅売却後も住み続けられるハウス・リースバック事業で成長。FC網が基盤。配当性向30%超
ヤマハ発動機(7272)
配当利回り:3.97%
株主優待:優待品から選択1000イント
長期保有優遇:3年以上で2000ポイントに
企業概要:2輪で世界大手。稼ぎ頭はマリン、産業ロボットも強化。トヨタと提携
みずほリース(8425)
配当利回り:3.59%
株主優待:クオカード3000円相当
長期保有優遇:1年以上で4000円相当
企業概要:19年みずほFGの持分会社に。丸紅とも資本業務提携。持分会社にリコーリース
【追記】みずほリースは11月8日、株主優待制度の廃止を発表しました(2023/11/9)
ヒューリック(3003)
配当利回り:3.56%
株主優待:グルメカタログギフト3000円相当(300株以上)
長期保有優遇:3年以上で6000円相当に
企業概要:都区内の駅近接ビル中心に好物件保有、物件多角化へ
全国保証(7164)
配当利回り:3/56%
株主優待:クオカード3000円相当
長期保有優遇:1年以上で5000円相当(カタログギフトも選択可)
企業概要:住宅ローン保証の最大手。独立系。M&Aに積極的。事業領域拡大目指しベンチャー投資も
INPEX(1605)
配当利回り:3.43%
株主優待:クオカード1000円分(400株以上)
長期保有優遇:2年以上で2000円分、3年以上で3000円分に
企業概要:原油・ガス開発生産国内最大手。政府が黄金株保有。豪州でLNG案件(イクシス)操業
リコーリース(8566)
配当利回り:3.39%
株主優待:クオカード2000円相当
長期保有優遇:1年以上で4000円相当、3年以上で5000円相当
企業概要:中小企業が顧客基盤。集金代行や投資事業など強化
この10銘柄なら、新NISAの成長投資枠で購入して、長期保有すれば配当金も多く入ってきますし、株主優待も存分に楽しむことができるでしょう。
ただし、高配当ということは減配リスクもあります。
現に9月2日記事で紹介した「スクロール」(8005)は業績予想の下方修正で減配しています。銘柄選びでは、業績の伸びなども必ずチェックするようにしてください。

高配当株のリスクについては下記の記事もご覧ください
高配当銘柄をどうやって探したらよいか
高配当株に興味があるなら必読の書
貸株はしてはいけない
長期保有優遇の銘柄には、もうひとつ注意点があります。
それは「貸株はしてはいけない」という点です。

貸株についてはこちらをご覧ください
貸株をすると株主番号が変わってしまう可能性があるため、証券会社各社も注意喚起しています。
せっかく企業側が長期保有優遇の優待を用意しているのに、その権利をフイにしてしまうのはもったいないです。
「長期保有優遇銘柄=貸株はしてはいけない」と覚えておいてください。
(いしばしわたる)
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