音楽との出逢いかた:ジャージー・ボーイズ

音楽との出逢いかた:ジャージー・ボーイズ

「音楽との出逢いかた」の4回目(最終回)は映画です。映画は音楽と分かちがたく結びついているので、映画がきっかけで音楽と出逢うのは、当たり前と言えば当たり前です。ですから、今回はこれまでの記事の打ち明け話にします(2023.9.15)

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君の瞳に恋してる

以前の記事で映画「恋のからさわぎ」(原題:10 things I hate about you)について、音楽がとても魅力的であると紹介しました。 

でも、実際は順番が逆なのです。 

ある音楽がとても好きで、その音楽のカバー曲はないだろうかと調べてみたら「恋のからさわぎ」に行き着いた、というのが真相です。 

クリント・イーストウッド監督の「ジャージー・ボーイズ」(原題:Jersey Boys)が、そもそものきっかけでした。DVDの背表紙から紹介します。 

巨匠クリント・イーストウッド監督が贈る、4人の若者の物語。ニュージャージー州の貧しい地区で生まれ育った彼らが結成したバンド「フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ」は、やがて60年代を代表するポップスグループへと成長していく。(略)一世を風靡したヒット曲の数々に乗せて、彼らの栄光と挫折が描かれる。 

YouTubeワーナーブラザース公式チャンネル「映画『ジャージー・ボーイズ』予告編(ロングバージョン)」

ミュージカルを映画化した作品なので、フォー・シーズンズの曲が次々と流れますが、なかでも出色がフランキー・ヴァリがソロで唄う「君の瞳に恋してる」(原題: Can’t Take My Eyes Off You)です。 

悲しい出来事で失意のどん底にあったフランキー・ヴァリに、フォー・シーズンズ時代の仲間のボブ・ゴーディオが曲を提供して励まし、それがフランキー・ヴァリ復活につながった、というストーリーです(実際は、曲の発表時期が「悲しい出来事」より前なので、この部分は創作でしょう) 

あのすばらしき夜

映画「ジャージー・ボーイズ」のもうひとつの白眉はエンディングです。 

フランキー・ヴァリの歌声に魅了され、「困った時はいつでも助ける」と宣言したマフィアのボスを演じた名優クリストファー・ウォーケンを含めて、キャスト全員が「1963年12月(あのすばらしき夜)」(原題:December, 1963 (Oh, What a Night))に合わせて踊るシーンです。 

YouTubeワーナーブラザース公式チャンネル「映画『ジャージー・ボーイズ』特別映像「Oh! What a Night」」

小さな願い

以前の記事で紹介した映画「ベスト・フレンズ・ウェディング」(原題:My Best Friend’s Wedding)も似たようないきさつです。 

こちらは、大ヒットドラマ「glee/グリー」(原題:glee)のシーズン1で、チアリーディング部のクイン、サンタナ、ブリトニーの3人で唄う「小さな願い」(原題:I Say A Little Prayer)が好きで、プレイリストにも入れていました。 

ほかのアレンジはないかと探して「ベスト・フレンズ・ウェディング」のシーフード・レストランのシーンに行き着いた、というわけです。 

音楽を媒介して、ほかの作品に出逢うーー。ほんとうに得した気分になります。 

映画とクラシック

もちろん、映画から音楽を知る機会も多いです。 

わたしの場合は(クラシックはあまり聞かないため)、映画「ある日どこかで」(ヤノット・シュワルツ監督、1980年製作)でラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を知り、映画「プラトーン」(オリバー・ストーン監督、1986年製作)でサミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」を知りました。 

音楽はこころのビタミン。今後もいろいろと書いていきたいと思います。 

(しみずのぼる) 

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