クレジットカードの利用において、月々の支払額を一定に抑えられるリボ払いは、一見すると利便性が高く感じられます。しかし、その仕組みには年率15%程度の高い利息負担というリスクが隠されています。特に初期設定やポイント付与キャンペーンによって、無意識のうちにリボ払いを選択しているケースも少なくありません。本記事では、リボ払いの仕組みや利息負担の具体例、そして思わぬ負債を抱えないための設定確認方法について解説します。(2023.8.1)
〈PR〉
目次
クレジットカード初期設定に潜むリボ払いの罠
大学の入学式で渡される勧誘チラシの中に、大学生協のクレジットカード(クレカ)発行の案内があるケースが多いように思います。
クレカは確かに便利ですが、年会費がかかるものも少なくないので、選ぶときは慎重さが求められます。「大学生協だから安心」ではなく、手数料やポイント付与率で比較吟味しましょう(いちばんおすすめは楽天カードです。ポイントが貯まりやすく発行額はトップです)
さて、そうやって手に入れたクレカですが、実は初期設定で思わぬ落とし穴があるのです。
新成人(18歳)向けに政府広報オンラインが「これは怖い…クレジットカードの使用で数十万のトラブルに?」という記事を載せています。
政府広報オンライン「これは怖い…クレジットカードの使用で数十万のトラブルに?」より
若年層に増加するクレジットカードのトラブル事例
クレジットカードをめぐるトラブルで最も多かったのが30歳代で、次いで20歳代。つまり若い人ほど被害に遭っているのです。
トラブルで多かったのが「リボ払い」でした。アンケートの回答が複数載っています。
「カードが申込時からリボ払いになっていたことに気づかずに使っていた。リボ払いに勝手になっていた」(30代・女性)
「リボ払いを解約できないカードだった。キャラクターに釣られて契約したが、リボ払いのことを知らなかったので後悔している」(40代・男性)
「知らない間にリボ払いになっていて、予想外の利子を払っていた」(60代・女性)
「リボ払いにしたら、手数料が増えて返済が難しくなった」(50代・男性)
参考URL:https://gov-online.go.jp/tokusyu/seinen_18/shopping.html
いちばん怖いのが1番目の「カードが申込時からリボ払いになっていた」というケースです。
最初にクレカをつくる18歳、あるいは大学入学のタイミングで、「リボ払いとは何か」を知らなければ容易にはまってしまう落とし穴がある、ということです。
実質年率15%に設定されているリボ払いの高額利息
リボ払いの正式名称は「リボルビング払い」で、「毎月の支払額を一定の金額に固定して、金利とともに返済していく」という返済方法です。
JCBの記事(リボ払いとはどんな返済方法?メリット・デメリットと注意点を解説)にこう書いてあります。
1回払いや分割払いとは異なり、高額商品を購入した場合でも、毎月の返済額は一定になるため、手もとにまとまったお金がないという場合でも支払いができるという特徴があります。ただし、利息が発生するため、リボ払いを利用しすぎると、支払総額が高額になるケースがあります。
参考URL:https://www.jcb.co.jp/loancard/special/ribo_payment.html
リボ払いの手数料(利息)はだいたい15%です。
以前にラテマネーを毎月投資に回すといくらになるかという記事で複利効果について書いて、複利によって利回りが1%上がるたびに利益がうなぎ上りになる図を載せました。
図では5%のカーブが載っていますが、それが15%ですよ! リボ払いは借金ですから、支払い利息がうなぎ上りどころか猛烈に膨れ上がる、ということです。
📈あわせて読みたい:ラテマネーを資産運用に回すといくらになる?複利がもたらす驚きの効果
日々の生活の中で無意識に使ってしまう少額の支出、いわゆる「ラテマネー」。一杯のコーヒー代程度の金額でも、長期間にわたって積み立て、運用を続けることで、将来的に大…hintnomori.com
毎月の返済額の多くが利息に充てられる返済の仕組み
しかも、リボ払いが怖いのは毎月の支払額が固定のため、その支払額の内訳、返済元本がいくらで、手数料(利息)がいくらなのかがわかりにくいのです。
このため、知らず知らずのうちに支払額の大半が手数料で占められ、返済元本がいっこうに減らない、というケースが生じてしまうのです。
JCBの記事(リボ払いの金利・手数料は高い?返済額を減らす方法を徹底解説!)にも、その危うさが書かれています。
例1) 100万円をリボ払いにして、毎月2万円(2万円に手数料を含む)ずつ返済
このケースでは、最初の月の支払額「2万円」のうち、半分以上の「12,739円」が手数料です。また、2回目以降も同様で、元金が手数料を上回る状態が1年以上続きます。
「2万円返した」と思っていても、実際には元金は7,000円程度しか減っていないわけですから、なかなか返済が進まず、手数料ばかり支払うことになってしまいます。
参考URL:https://www.jcb.co.jp/loancard/special/commission.html
よく過払金返済のコマーシャルを見かけることがあると思います。これは消費者金融については、2010年の貸金業法改正で「貸金業者からの個人の借入総額が年収の3分の1に制限する」という総量規制を設け、顧客の返済限度を超える借り入れは法的に違反行為となったため、過払金が返還されるようになったからです。
しかし、クレジットカードのリボ払いは貸金業法の規制を受けないため、クレカのリボ払いの被害は後を絶ちません。
支払い設定を適切に変更・確認する重要性
ファイナンシャルフィールド編集部の記事(「一括払い」にしたはずなのに「リボ払い」になっていた……!原因と解除方法を教えてください)に、リボ払いになる主な要因を列挙しています。

まず、クレカを作る前にリボ払いの危うさについて知識をつけて未然に防止するのがベストですが、すでにクレカを作っている人も、基本設定でリボ払いになっていないかどうかチェックすることは必須です。
ポイント還元を目的としたリボ払い勧誘にご用心!
それにしても嘆かわしいのは、リボ払いにすればポイントを多数付与しますよ!という誘導です。わたしが先に「最初の1枚におすすめ」と書いた楽天カードにも、そういうバナーがありました。

クレカは現在、年会費無料が当たり前になっているし(それでも年会費をとるクレカもまだまだある)、ポイント付与でしのぎを削っている現状をみれば、すこしでも手数料(利息)を増やしたくなる業界側の気持ちは理解できなくもありませんが、消費者側の無知につけこむ誘導は感心しません。
もちろん、消費者側も無知のままでいいはずがありません。「無知の知」ーー自分は知らないということを自覚すること、それがいちばん大切なのです。「論語」いわく、「知らざるを知らずと為す是知るなり」です。
この記事を読んでリボ払いの怖さを知った今、ポイント付与などという誘導に騙されず、リボ払いの落とし穴にはまらないように気をつけてほしいものです。
(いしばしわたる)
〈PR〉


